巷では某SNSにて30代独身女性を名乗る人物が
「プレゼントに4°Cを贈る男性はどうなの」
と疑問を呈し写真と共に投稿したところ
「だから独身なんだよ!」
「プレゼントをネットに晒すなんて!」
と罵詈雑言が飛び交い炎上沙汰になったとのことである。
この話を耳にし,怒りのあまり体温が44.4℃まで急激に上昇
社内規定により1ヶ月の出勤停止及びPCR検査を受けることを余儀なくされた男がいた。
俺である。
愛する人間のためにプレゼントが飛び交うこのシーズン
街行く人々が「きよしこの夜」と「もろびとこぞりて」を清らかに歌い上げる中
「きよしのズンドコ節」と「もろびと呪いて」
を歌うほどの,この俺である。
もし俺がTwitterなんぞにプレゼントの恥を晒されたと知ったならば
通信教育で即座に全集中・炎の呼吸を学び
1000℃の業火で相手を
プレゼントもろとも
消し炭にしていただろう。
しかし炎上騒ぎも一週間と経たないうちに鎮火。
まさにネットリテラシーの欠如が招いたこの「4°C騒動」。
ではどのように対応したら炎上を回避できたのか。
後学のために是非ともシミュレーションしておく必要がある。
一人家でうんうん唸り、鬼滅の刃を観ながら考えてみた。
①女性側が「ありがとう〜!嬉しいよ〜!大切にするね!」と一言お礼を言って、その帰りがけに大黒屋へ寄る
実に無難でオーソドックスな手である。
古来より馴染みの客から贈物をもらったキャバ嬢によって使われた錬金術だ。
(俺は密かに「キャバクラ錬金術師」と呼んでいた)
しかし相手との関係性を考えた場合
次会った時に「なぜ相手はプレゼントをつけていないのだろう?」と疑問を抱き
揉めるのは必定なのでこれは却下である。
②4℃に敵対的買収を仕掛け、乗っ取った後に社名を
「コムデギャルソソ」に変える
逆転の発想で
むしろプレゼントのブランド価値をこちらから上げにいく
というストロングスタイル。
幸い4°Cのジュエリーデザインもギャルソンのロゴもハート型であるので
何とか誤魔化せそう(ハナクソほじりながら)
しかし4°Cを買収できるほどの財力を持っていたらそもそも結婚に困らなさそうではある。
③ネックレスを1時間以上着用しなかった場合,爆発する仕掛けを設置しておく
あえて男性側からのアクションを想定してみる。
仮に女性側がこちらのプレゼントを無下にした場合
相手側は聖夜の塵となる算段である。
これによって男性側は心置きなく次の恋へ向かうことができ
来年のクリスマスは刑務所で過ごすことになるだろう。
④「もうダメダメ〜!大人の女の子に4°Cなんて〜!
もっとアダルトな品を真剣に選ばないと〜
プンスカプン!
あ、申し遅れました。
私,アクセサリー評論家
質屋入子(しちやいれこ)です!」
と謎のアクセサリー評論家に扮して
やんわりと相手にアドバイスを送る。
これである。
あえて正体不明のアクセサリー評論家に扮し
コミカルな口調で相手の気炎を削ぎ
さらにはアドバイスまで送るという
徹底ぶりで自分好みの男に仕立て上げていく。
炎上してしまった30代独身女性が取る手段はこれしかないだろう。
こんなことされてしまったらもう男性側は
メロメロメロウで恋のメマーイダンスを踊ること間違いなしである。
その日のうちに聖夜の街へと消え去り
二人は絶好調真冬の恋スピードに乗って
急上昇熱いハート
身につけた4°Cも溶けるほどの恋が
繰り広げられるだろう。
翌週には両家に挨拶を済ませて年明け一発目に結婚式。
晴れてTwitterのアカウント名から
「30代独身女性」の文字が消え
「30代ロマンスマザー」の名前が
燦然と輝くことになる。
ですのでね,女性諸賢は各位,是非ともクリスマスプレゼントには御用心。
もし気になる男性からのプレゼントが気に入らなかったら
「何このプレゼント!分かってないな〜。
よし、センス磨いてやるから今度選びにいくよ!」
とスマートに次戦のチャンスを与えていただければ
これに勝る栄誉なし。幸甚の至りである。
男性側は奮起し
きっとあなたを
ロマンスの神様の元へ
連れて行ってくれるはずだ。